情報が新聞頼みだった100年前のあの頃と、新聞以外からも夥しいほど流れてくる情報過多の現代で、流言飛語の有り様と人々の振る舞いが同じすぎてめまいがした。
自分もあの中の誰かになり得る、と思いながら、こうだけは絶対なりたくないという人が権力を持つ者などではなく、ただの普通の人であることの恐ろしさ。
普通の人の短絡さほど恐ろしいものはない気がする。
この作品と、是枝監督の『怪物』を観てから自分の中で自分を疑うという気持ちが強くなった。どちらの作品にも瑛太が出演していて、今後ますます彼の作品選びが楽しみ。
水道橋博士の意外な役どころは見応えがあるとは思うけど、個人的にどうしてもどーしてもハリセンボンの春菜に見えてしまって集中力が切れてしまったのがほんと残念…(誰のせいでもない)
でも、こういう作品をつくる人がいて、こういう作品にでる素晴らしい俳優がいることが唯一の希望なのかもとさえ思った。