2023/10/6
ユナイテッド・シネマ橿原で、9時20分の回から森達也監督『福田村事件』を観た。
事件が起こるまでの加害者たちと被害者たちの日常を丁寧に描いているので、殺された被害者たちの無念が胸に残る映画だった。
細部に創作はあるかもしれないが、事件の概要が分かるものでもあった。
殺人の初めは、唐突でびっくりするものだったが、後で振り返っても説明的ではなく、それまでの感情の積み重ねで殺意が噴出したのが判明する(ただし理解や共感はできない)ものだった。
森達也監督の演出も、奇をてらったものは感じられず、登場人物たちの感情の流れを阻害するものはないものに感じた。
しかし、朝鮮人なら殺しても良いと考えていた当時の人々の差別意識は、やはり韓国併合をしたことから来ているのだろうか。
だとすると、少数派や弱者を下に見て、彼らを虐げてもかまわないという差別意識は、ヘイトスピーチにあるように現在も残っていると改めて思った。
観客は10人程度。