涙などはず、ただただ唖然とする事しか出来なかった。監督は舞台挨拶で「是非ともこの作品の中に自分だと思えるキャラクターを見つけて下さい。私は因みに村長です」と仰っていた。村長は結局、体面を守ることに徹してその場の解決は二の次、ある意味で見て見ぬふりをしてしまった。多くの人がこれに当てはまると思う。まさに"日本人的"だ。私は投影できる人物を見つけられずにいる。
さて、この悲惨な出来事は群衆心理という端的な言葉で片付けられるのだろうか？群れ、異常なモノは排斥するというのは自然の摂理としてありとあらゆる生物が行ってきた常道であると思う。ただし、我々は理性ある人間である。慈悲という心を持ち人を思うそんな生き物だ。しかし、集団化が加速し閉鎖性、更には恐怖や危機がそこに加わるとその理性はたちまち崩壊する。現代にもこれが通じることは多々ある。この映画からこの問題意識を再認識し、今後の行動を改められることが我々には求められているのかもしれない。新たな過ちが生まれない事を切に祈るばかりだ
