"虐殺するように見えない、普通の人がなぜ?"
鮮烈に描かれた
「集団」と「個人」
不安、恐怖、怒りが巻き起こす
集団の〈力〉の恐ろしさ
これが実在した事件をもとにした映画だと思うと、より重みが心にのしかかり何度も涙が溢れてしまった。
ご遺族の方々が事件のことを、その後も語ることは無かったという事実もまた心に重くのしかかる。
その重みを背負い映画を作り上げた
演者さんたちの「顔」が印象的な映画だった。
人の力ってすごい。
前半パートで、村人それぞれ個人の心情、状況、村全体の暗黙のルールや空気感が丁寧に描かれているからこそ、後半パートでの、集団の恐ろしさが際立つ。
〈守る〉という行為は、時に 他者への暴力性を孕んでいる。
大切な人(もの)を守りたいという気持ちが強くなるほど、どんな人でも加害者になり得る危険性があること、肝に銘じたいと思わせてくれた映画。
ゆっくりでも、たくさんの人に観てほしい。