レオン

福田村事件のレオンのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
3.4
高評価見逃し作(日本アカデミー優秀作品賞) (★平均4.0 UNEXTポイント課金)  私には没入出来るシーンが少ない作品だった。  ほとんどのシーンが "熱演を演出してる" 様にも感じる。 その場で本当に物事がリアルに起きてる様には見えず、今作が「優秀作」とは邦画の甘さを再認識してしまった。

台詞が聞き取りにくいシーンもあり、柄本明が親子で話すシーンは父娘の関係性等が不明瞭。 他シーンでも登場人物の行動が唐突に感じる事も多々で、"演じている"を多く感じる。
まあ悪く言えば、芝居がかっている・・。
(殺傷シーンも、人が死ぬというリアルさには到底達しておらず、TVドラマか・・と思うほど。)

まず物語も、この史実自体が残念な出来事で、それを作品にしたところで感情が大きく動くのかと懸念する。 その事件までの関係者の出来事を追っているが、ミニ群像劇的かつ断片的で、一部に人権についての描写もあるが、方向性がまとまっていない進展は冗長に感じた。

今作の事件では、朝鮮人に対する日本人の残虐性や同調圧力に近いものも描いて自虐史観を強めているが、1937年には逆に日本人200人以上が惨殺された事例「通州事件」等も起きている。 (←この事件はメディアや、まして教科書には絶対載らない、タブーの様に扱われているが、知るべき史実)

それに今作監督は、どちらかというと左派側を主軸にした作品が好きな監督のようだ。 左派記者(イソコ)として有名な望月衣塑子や、慰安婦問題を取り上げた作品もある。

終盤で、「朝鮮人なら殺して、ええんかっ!」との台詞もあの場面では、監督のプロパガンダを含んだ演出に感じる。
鮮人と勘違いされて、殺されるかもしれない場面で、どんどん疑念を増やす行動に、違和感を感じずにはいられない・・。

が、よい点も。
演技的に少年ノブを演じた、生駒星汰の目力ある描写が子供ながら目に留まる。 ラストの残った者が経典を唱えるシーンも目が潤んだ・・。
役者陣の演技力は十分なのだが、監督の演出で生かされてなく、それが原因か「優秀作」なのに、俳優賞には一人も候補が出ていないのが惜しい。

重い内容に高尚な雰囲気を醸すが、私的には見入るシーン少なく、平均★3.5以下の評価に。
(まあ私は政治的に反日左派を極度に嫌うので、その陰りを見いだした時点で冷めてしまう事も影響かと・・。)
レオン

レオン