郷馬

福田村事件の郷馬のレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.6
戦争が生み出した狂気は、同族である仲間を血に染めてしまった。
戦争は理性を失い、正気さえ失ってしまう。

戦争などの描写がないが、どれほど日本人が
朝鮮人を迫害していき無惨な事をしてきたか
それは井浦さんの演技が物語っていた。

永山さんの弱者を相手に商売する描写も
当時の日本がつくった北朝鮮との環境を表すようなシーンだったが、罪滅ぼしに握り飯を女性に渡すシーンはどこか安堵感があった。

そして何より生まれ育った日本の環境に馴染めない田中麗奈さんはじめ、女性の演技も絶望感に満ち溢れていた。

歴史は残酷。この事件は決して忘れてはならない。

森達也監督のリアリティを求めた演出を通して
また歴史を学べました。
郷馬

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