いや〜きつい映画・・・
前半で行商人達の人となりや、村社会で少しずつ歪み膨らんでいく人間達の緊張感をゆっくりゆっくり描いていく為、それが俄かに破壊される後半20分とのギャップが凄まじい。
本作の構成としては、度々例に挙げたくなるドゥザライトシング型と言った所。
全編を通して自由に生きようとする人々を蔑む風潮に満ちていて、狂った全体主義と言うか、この時代の日本をとことん嫌いにさせられる。
ただ、この映画で起きている事は過去の歴史、と言いたくなるけれど、東日本大地震の後でトイレットペーパーが売り切れるのと延長線上の集団心理であり、現代の日本で似たような事件が起きてもおかしくは無いかも…とゾッとする心地。
劇中で結局は傍観者でしかいられなかった澤田達の無力感に、観ていると苛立ちを覚えてしまいますが、では果たして目の前で同じ事が起きた時に自分ならどう振る舞えますか？と突きつけられた気持ちです。
