現在非常に危険な方向に向かうこの国において、以下のことを強く訴えかける重要な映画だ。
同じような状況下に置かれれば、人は誰しも、虐殺の加害者にも、被害者にも簡単になり得る。今この国に生きる私たちであればそのようなことは起こらない、などということは決してない。
皆さん、今までだって実際の場面でも象徴的な意味でも、被害者にならないために加害者に加担したり被害者を見殺しにしたりしてきたでしょう。人間である限りそれはやむを得ないことでもある。しかし、それに対する呵責の気持ちが何らかの社会動向や政治的策動によって搔き消されるとき、この映画のようなことが現実に起こる。
新助の「朝鮮人なら殺してええんか!」という叫びに別の人間を当てはめて、よく考える必要があると思った。