さくぞー

福田村事件のさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

福田村事件(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

第47回日アカ作品賞コンプリート!
震災による流言飛語に歴史的事実が裏打ちし狂乱へ。福田村事件に留まらず、日本が朝鮮を支配していたことが根底に絡んでくる。
面白かったというより、存在意義としてのスコア。

タイトルでもある福田村事件の起こる9/6になるまで100分というスローペースで、登場人物の心情や世相・物語としての伏線を積み重ね最悪の結末へ。しかし福田村事件までにも目を背けたくなるような描写は多い。そして、その差別的描写の積み重ねが、結果として日本人を殺してしまう福田村事件に繋がるのは当時の日本人への罰なのではないかと思えてくる。実際「いつも日本人は朝鮮人をいじめてるから仕返しされる」というセリフが頻繁に出てくるのがそういった印象をより強める。
行商団がたまに何言ってるか分からないのも良かったし、福田村も都会ではないので訛っているというのが痛烈な皮肉。

超豪華キャストながら誰が主役か分からないリアルな分散された描写が、虐殺手前からアンサンブルを起こすのが鳥肌。
殺された9人の名前を言うシーン『ペルシャン・レッスン』的な良さがある。そして、ペルシャン・レッスンのナチス、ケネス・チェンバレンなど日本以外も含めた全ての理不尽な殺人はある意味全て同じことが言えるのではないかと。
瑛太ずっと余裕ぶっこいてる割にやらかし多すぎでは?
登場人物としてのMVPは選びづらいが、俳優としては訛りが最も自然で村の人間になっていた豊原功補か。

そして全ての描写が現在にも通ずるのが印象的。ここまでではないかもしれないが、結局テクノロジーが発達しただけで潜在的な差別や数字取りの偏向報道・ソースを確認せず騒ぐ人間と、当時と現在はあまり変わってない気がする。日本以外も。

映像:=======S
脚本:======A
編集:====C
俳優:=======S
人物:======A
音楽:===D
音響:======A
【MVP】
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