Moomin

J005311のMoominのレビュー・感想・評価

J005311(2022年製作の映画)
4.1
映画というものを考える

背中の丸みがかった男が意を決して
見ず知らずの男に頼みごとをする
「100万円あげるのである所まで送って頂けませんか」
男二人のお話

映画における長回しの手法とは
そんな教科書を壊すやり方で
それが意図を持ってなのか、持たずなのか
映画大学時代では観客を納得させる程の意図を持てば映画は自由であると
映画とは観客に見せて初めて出来上がるからだ
その点監督の舞台挨拶ではその深度まで汲み取れなかった。もしかしたらあるかもしれないが。
言ってしまえば俳優の気持ちが切れてしまおうが何故カット割というものがあるのか?なぜそれが王道であるのか
長回しの成功とされる作品(ダルデンヌ兄弟やフーボーの『象は静かに座っている』)
これを理解した時にこの作品は初めて生きる気がする
確かに奇跡的なシーンはあった
それを撮れることは彼等の実力や努力であり
評価されるべきことであると同時に
それを必然に、なんならもっと貪欲にもできる それが映画であると思っている

ただ正解がないのも映画であるから難しい

タバコを拾う神崎、証明写真の黒画面に反射する神崎、トーストを頬張る神崎、ラストの山本 鮮明に思い出す
それがこの映画の凄いところ
Moomin

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