コマミー

ロスト・キング 500年越しの運命のコマミーのレビュー・感想・評価

3.7
【リチャード三世に導かれて】


※東洋経済様のオンライン試写会にて鑑賞




ヨーク朝(1461〜1485)最後のイングランド王"リチャード三世"は、長らく"冷酷非情の王"という汚名を着せられていた。実際はヘンリー7世が王位をリチャードを戦死させて剥奪し、それを正当化しようとするヘンリー切り拓いたテューダーを崇拝する"テューダー擁護派"がリチャード三世を簒奪者に書き換えたのだが、長らくイギリスの人々はこれに騙されていた。

しかし、それを"変えた人物"がいた。

リチャード三世に惚れ、導かれ、"社会福祉事務所の駐車場"にてリチャード三世の存在を感じ、歴史の闇に埋もれてしまったリチャード三世を掘り当て、リチャード三世の汚名を注いだ"フィリッパ・ラングレー"という"一主婦こと、リチャード三世ファン"である。

映画を観て、彼女の"執念"・リチャード三世への"想い"…全てを経て、"心から信じる"事の素晴らしさを教わった。デューダー擁護派の専門家のリチャード三世への仕打ちやフィリッパから手柄を横取りしようとしたら"レスター大学"の対応にイライラしたが、リチャードの正当性を信じていた"ジョン・アッシュダウン=ヒル"歴史学者や妻の資金集めの為に車を売った夫"ジョン・ラングレー"と言った2人のジョンの献身的な行動には感動させられた。
演技としては、リチャード三世と"ある役"を演じた"ハリー・ロイド"の存在感と演技は良かった。「ドクター・フー」や「ゲーム・オブ・スローンズ」にも出ていた方で、これからこの方にはもっと伸びてほしいなと感じた。

信じ、諦めない心は多くの人を感動させ、人生をも変えさせる。歴史の"間違い"に着目し、変えたフィリッパ・ラングレーはもっと多くの人に知られてほしいし、非常にイングランドを語る上で彼女は欠かせないなと感じた。
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