ゆかちん

ロスト・キング 500年越しの運命のゆかちんのレビュー・感想・評価

2.8
今年は久々に海外旅行、デンマークのコペンハーゲンへ!その帰りの飛行機内で鑑賞その2。

日本でもうすぐ公開されるという今作が字幕であったので鑑賞。
でも、さすがに機内で一晩過ごすので眠くなり、起きてまた戻して見てたら寝て、また起きてもう一回見て…の繰り返して、大阪に着くギリギリに見終えた笑。


フィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンス)は職場で上司から理不尽な評価を受けるが、別居中の夫(スティーヴ・クーガン)から生活費のため仕事を続けるように言われ、納得にいかない日々を送る。
そんなある日、息子の付き添いでシェイクスピア劇「リチャード三世」を鑑賞した彼女は、悪名高きリチャード3世も実際は自分と同じように不当に扱われてきたのではないかと疑問を抱き、歴史研究にのめり込むように。そこから、彼女の前にリチャード3世の幻影が現れるように。
1485年に死亡したリチャード3世の遺骨は近くの川に投げ込まれたと長らく考えられてきたが、フィリッパは彼の汚名をそそぐべく遺骨探しを開始するーーー。



究極の推し活…確かに。

フィリッパ、「ちょっと変わった人」と「何かのパワー持つ人」の境目くらいの存在。
サリー・ホーキンスが、精神的不安定になると発作を起こしたり、幻影のリチャード3世と話したり(側から見たら独り言)、どこか不安定で危ういけど、そこには強い信念みたいなのがある…という、ギリギリラインをとても上手く演じていた。

空想の存在リチャード3世が、やたら語りかけてくるのではなく、微笑むだけとか、フィリッパが答えを導き出すのを促すだけの浮遊感ある存在ていう表現がいい。

リチャード3世役のハリー・ロイド、演劇やってるところ迫力満点やけど、フィリッパの空想に出てくるリチャード3世は多くを語らない、そのギャップの演技良かった。
リチャード3世のときは由緒正しい品格を感じる演技と、舞台役者の一般人のさりげない雰囲気。
イケメンだ!
てか、ハリー・ロイドは、チャールズ・ディケンズの子孫で、イートン校行ってオックスフォード大学のクライストチャーチに行ってるんや。
品格よ。


冴えない日々を送るフィリッパだけど、離婚した夫もなんやかんやで彼女を気にかけて彼女の研究の邪魔をしないようにして(離婚したのも彼女を嫌いになったからではないよう)、子どもと一緒にフィリッパを応援してるとか、なんか素敵。。

そっけなさそうで暖かくフィリッパを支える元夫にスティーヴ・クーガン。彼のこういう役初めてみたかも。めちゃ良い感じやった。
めちゃくちゃ優しいて全面に出るんやなく、素っ気なさげやけどホンマは…みたいなニュアンスがとてもよかった。


あと、BBCドラマSHERLOCKのメアリー役だったアマンダ・アビントンがフィリッパに協力してくれた頼もしい女性議員ていうの良かった。
ちょっとだけやけど、スパイス効いてる。
女性の立場からのアドバイス。


大学の先生や研究室の人たちも、自分たちの立場もありつつ、良心はある。
だから、フィリッパの貢献全部を大学の手柄にするのは良くないと葛藤して対応したのも良かった。

みんな超絶良い人たちばかりかと言えばそうではなく、そりゃそれぞれの利害があるから〜なんだけど、それでも人として大切なところはあって、みたいな、めちゃくちゃ人間味がある描き方もいい。

そりゃ実話やもんな。

大学側は嫌なやつのままでしたが笑。
まあ、仕方ないのかな〜。。、


歴史として語られているのも、ほんまかどうかわからんし、片方の視線から描かれたり、また、戯曲とか創作の話でのことなら尚更ほんまかどうかはわからない。

一般常識を覆すのはすごいことだし、それを普通の人が普通の人たちの応援(家族やリチャード3世のファンたち)を受けて、研究者や自治体巻き込んで実現したというのは、すごいことだなと思った!
すごい発見をするのは、研究者だけじゃないのかもね。


エディンバラの景色がとてもとてもとてもよくて。
服装とかも含めて、絵的にも素敵な作品でした。
ゆかちん

ゆかちん