普通の一般女性の情熱が、それまで失われたと思われていたリチャード3世の遺骨の発見につながったという実話に基づいた物語。
シェイクスピアでも有名だが、リチャード3世はこぶのある醜い姿の残忍な簒奪者として描かれているが、
本作ではそのシェイクスピア劇を見た「筋痛性脳脊髄炎」を患っている女性フィリッパが、「醜いものは邪悪に決まっている」というかつての社会通念に反発してリチャード3世に関心を持つことから始まる。
これもルッキズムなんだろうけど、かつての勧善懲悪のお伽話には醜い魔女が美しいお姫様をいじめるとかよく出てきたが、シェイクスピアであっても現代にはそぐわなくなってきてるんだろうな。
それに「歴史は勝者によって作られる」わけで、リチャード3世の通説は後の王朝によって書かれたわけだしね。
リチャード3世に夢中になっているフィリッパの前に、他の人には見えないイケメンのリチャード3世が度々姿を現すのもチャーミングな演出。
またフィリッパが、「無理に決まっている」と太鼓判を押すアカデミーの方々の鼻を明かすのも痛快だ!
日本でも新しい考古学的発見が相次いでいるし、歴史にはロマンがあるね。