『大追跡』の水原さんと『西部警察』の沖田、夢の競演。

東宝ニューアクションの旗手西村潔と日活ニューアクションで活躍した藤竜也がコンビを組んだアクション作品だが、実際見てみると『大追跡』など当時日テレで作られたアクションテレビドラマのノリが満載の軽快な内容に仕上がっている。しかも前半の舞台となるのが横浜なため、ますますそういう雰囲気が強くなる。

話の内容は和製『冒険者たち』といった趣で、西村潔監督の無駄のないシャープな語り口と主人公三人の息のあった掛け合いが楽しい本家とは違った魅力を持つ佳作に仕上がっている。そして主人公の一人を演じる藤竜也の美しい肉体がちょくちょく出てくるのも見所。ちなみにこの映画の藤&三浦友和コンビが、後に東映セントラルフィルムと日テレで製作された『プロハンター』の元ネタではと思ったりする。

後半の舞台となるサイパンの美しい世界を生かした映像が、他のアクション作品とは違った雰囲気を醸し出す。エンディングに掛かる来生たかおの歌も最高。

突然大林宣彦監督が出てくるのにびっくり。

写真があってよかった！

まあ、この写真見て下さい。明るいですね。皆さん輝いています。楽しそうです。
お忙しい方は本編を観なくても、この写真だけはぜひ見て行って下さい。これだけでもこの映画の全てを感じとれるでしょう。

元ネタを観た方がこの写真を見たら…、カンのいい人ならこれだけで気づくかもしれません。これは「冒険者たち」なんです。それもパロディとかオマージュとかでもなく、ましてやパクリではない。
映画の製作者が「冒険者たち」をやりたくて、「冒険者たちごっこ」をやった、その結果が「黄金のパートナー」。そんな映画なんです。
だからもう楽しい楽しい。元ネタにあった、夢と挫折だの、青春の痛みだのといったものはキレイサッパリ雲散霧消。来生たかおと高中正義の音楽をバックに、ドラマチックな出来事ですら「冒険者たちごっこ」で突き抜ける。そんな製作者たちの「冒険者たちごっこ」を一緒に楽しんで、打ち上げはもちろんサイパンで。夕陽に映えるマニャガハ島を臨むガラパンの砂浜でビーチ・パーティ。というのは全部私の妄想。でもそんな撮影現場であってほしいと願ってしまう、そんな映画です。
時にはそういう映画があってもいい、いや、なくては困ります！

ちなみに三浦友和＝アラン・ドロン、藤竜也＝リノ・バンチュラ、紺野美沙子＝ジョアンナ・シムカスですね。

東映セントラルに近い雰囲気。
西村潔の諸作と違ってシリアス調でもない。
三浦友和と藤竜也がイチャイチャとバカンスする様を延々見せられるが、夏休み気分になれて悪くない。
終盤、軽いノリのまま三浦友和が小林稔侍を銛で殺害していたがいいのだろうか。

途中、藤竜也が『ウルトラマンタロウ』の主題歌を熱唱するシーンがあった。
数年前『台風家族』の舞台挨拶でも披露していたほどなので、実は十八番なのか。
芦川いづみとの結婚が1968年なので、ちょうど息子が小さい頃に一緒に観ていたのかも。