以前、問屋街の中古ポスター屋さんで一目惚れして、どんな映画かも知らずにとりあえずポスターだけ買っていた作品。このタイトルとケバいジャケに心惹かれない人とは友人になれないかもしれない。（DVDジャケはちょっとオシャレになってる）。
seapony3000さんが書いているように、タイトル出る瞬間の信号を巡る会話がかっこいい。
阿部定の変容。愛する男のイチモツを胸に抱える古い女から、男を吸い尽くすハンターになる。女を女が助ける時代。華美な衣装、ビキニの日焼け、菅野隆らしい運命の男と女。観られて良かった。

傑作。
犯されそうになった所を助けてくれた女の家に居候する話。セリフが極小で語りもミニマム。どこかアントニオー二の映画のような空気感がある。
三東ルシアが父？との口論のあと襖を開くといきなり庭に磔になった男の裸体があるシュールさが素晴らしいし、その男を抜いてやる夜の場面が最高。肌寒さが伝わってくるし風も吹いている。

ラストの継承されてく感じも『Cure』味があって好き。

• #ゆっきー日活ロマンポルノ

樫山洋子さん…スゴイ。誰なんですかこのお方。こんがり焼けたお肌にパープルメイク、毛皮コートのなかにはロングのチャイナドレス。ルシアさんが助けてもらった夜にモノトーンのアーバンな部屋で振る舞われる年季の入った土鍋のおじや、目覚めるとレインコーツのアルバム飾った寝室。多様が過ぎる。深夜の信号無視に「赤だわ！」「…私には青にみえたわ」でタイトルの出だしからガツンとやられる。売春を利用した暗殺事件も早々にほったかしにされ、死にぞこなった女と男が再会する菅野隆監督らしい展開に。なぜそこにいるのか埠頭でのカーアクションから落書きだらけの廃墟セックス。噴煙湧く大島で貪り合い、一方で過去を殺したルシアさんは生まれ変わって欲望のままに突き進んでいく。期待していた液体描写はなかったけど、やっぱしどこからみても菅野隆作品。あと、メロディ奏でるふたりのペアウォッチ。時計大好き。時計といえばだし、置いてけぼりの脈絡のなさフルチぽい？刃物が登場してもちょっと地味。どこが阿部定なんだよ、でも斬られ役はやっぱり江角さん。クラシックな和建築には欠かせない。和風な実家での派手なルシアさんの違和感とかもかなり好き。「生録盗聴ビデオ」から引き続きの中原潤さんもあたりまえのようにハマっていました。女優さんたちみなさん水着の跡がばっちり残る日焼けボディでなんだか頼もしい。ずっと見たかったこの作品、ソフト化されてとにかく嬉しいです。