メガネン

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMのメガネンのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)
4.0
・ガンダムSeedと、その続編であるガンダムSeed Destinyから、完全な地続きになっています。
・そのため、このシリーズを観ていない人が観ても意味不明な作品です。
・逆にシリーズを視聴した人にとっては、かなり久しぶりの正統続編であり、楽しみにしている人も多かったのではないでしょうか。

私は、シン・アスカというキャラクターと、その乗機であるデスティニーが大好きです。そんな私にとっては、彼が素晴らしい活躍を見せつつも、コメディリリーフとして緊迫した作品内の空気に風を通しており、観ていて実に心地よかったです。
その点においては満点。

以下は、蛇足かもしれません。

◯作品の見どころ◯
フリーダムと言う超人気ガンダム機体に頼らない、あらゆる機体と登場人物に見せ場を用意している点は大変観ていて心地いいものでした。
個性的で、良くも悪くもクセのあるキャラクターたちを、その個性を存分に活かした形でうまく動かしています。

例えば、ムウ・ラ・フラガというキャラクターは不死身と呼ばれる男で、作中何度も死んだと思われた状況から生還し、「不可能を可能にする男」を自称しています。本作ではその設定をきちんと活かし、ここぞと言う場面で、言わせます。そのシーンで登場する機体も極めて個性的でかつ印象的なもので、その活躍ぶりは爽快感満点でした。

違った例では、イザーク・ジュールと、ディアッカ・エルスマンというキャラクターのシーンも白眉です。個人的に、この二人は作中で最も成長した人物なのではないかと思い、気に入っています。元来主人公にだけ使用が許されていた特別装備を、彼らが使用することになるとは思いませんでした。

◯その他◯
作画→極めて美麗。特にメカデザインとその動かし方はガンダムSeedならではの様式美を形成しています。
作劇→テーマや展開は、予想通りといった感じではあるものの、それを見せるためのシーンや脚本はとても洗練されています。特に戦闘艦による遊撃戦の描写は、これまでのシリーズに欠けていた要素で、こちらも爽快感があります。「戦術バジルール」というワードを覚えておいてください。

×受けつけなかったポイント×
・敵の醜悪さが生理的に嫌悪感を催すレベル
・カガリの出番少なくない?
・やはり私服が残念笑
・BGMの主張がすごい
・ラクスが届けてくれた翼?的な装備がチートすぎて萎える
・ギャンをかっこよくリデザインしたのに、見せ場があまりないのが残念。まぁ、ゲルググもズゴックもそうだけどさぁ…
・ともかく大量殺戮しまくりなのに、犠牲者の描写があまりないのは、ちょっと欺瞞ぽい
・ワイプで出てくる情報が長い割にすぐ消えるので、情報を追うのが大変(エヴァの真似?)
・スカウターしてる技術将校っぽいキャラクターの喋り方が独特すぎて笑ってしまう、嫌なキャラではないんだが…
・キラとラクスの家があまりにも豪邸すぎて、浮世離れが著しい。この生活環境で、世界の平和を云々言ってても、やっぱり上から目線の絵空事に聞こえるよなと思ったり

ではでは!