本間ヤンカイ

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMの本間ヤンカイのネタバレレビュー・内容・結末

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かったァ……

筋だけ追うと言うほど中身は無い。ぽっと出の強敵とディスティニープランの使い回しで、敵思想としては種死のデュランダルの段階で完成しきっていたのが分かる。戦いに疲れきったコズミック・イラにおいて、あれ以上に合理的で反モラル的な思想は無いので。
種死の時はただ止めただけでそれに対抗する思想が見えずに終わったので、アンサーを出す意味でもディスティニープランを使い回す意義はあったのかと思う。とにかく、筋を追うとやり直しという感じが見える。

ただ、やはり年月の空いた劇場版に求めるのはTVシリーズの倣古的な演出と展開であって、その点でめちゃめちゃに満足できた。それを語るには余白が足りないほどに…。

キラはなんも変わらんかったが(むしろそれが旨味ではある)、今回は思想の弁者としてのラクスが大変良かった。
テーマの根幹には平和への態度があり、そこで敵思想のディスティニープランがガツンとくる。に対しての、というところで大きく「愛」をアンサーにしていた。愛というのは平和と同じくらい広く捉えられるテーマなので、勝手に見てる側の思考がTVシリーズの印象的な場面と繋がり、なんとなく包括的でバチッと締めた感じが出る。実際TVシリーズでもラブシーンは多かったが、その意味でも上手くテーマを落としたなと感じた。後から。

演出、展開、締まった感で面白かったァ……とさせてくれる、ファンのための一作でした。