はな

ポランのはなのネタバレレビュー・内容・結末

ポラン(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも、あまりにも良かった。

石田さんの紡ぐ言葉がとても美しくて、ひとつひとつがすっと胸に落ちてくる。ガラケーに届いた古本屋の先輩のメールを読むときの表情、忘れられないなあ。そのあとの奥様の対照的な振る舞いもリアル。

少しずつ、でも確実に無くなっていく姿は悲しすぎて直視できなかった。ネット販売を続けるとはいえ、石田さんはこれから何を生きがいにしていくんだろうか…お客さんとの会話が日々の励みになっていたことは間違いないと思う。最後の古本市での顔つきは、それまでのものと違ったように感じたのは気のせいかな。

この映画で一番残酷だなと思ったのは、おそらく不動産屋さん?に鍵を引き渡してハンコを押すところ。石田さんが無くなったポラン書房に想いを馳せる中、横から「地域活性に貢献してくださった」「知名度はついたから後はね」などと言われるのはどんな気持ちだったろうか。「無くなるのは寂しいね」「みんな本読まなくなるんじゃない?」それは本心?だったらあと1万円、安くしてくれてたらね。1年経ってもテナントが入らないのと、どっちが良かったんだろうね。

本を売る仕事をしている身からしても、これからの紙の本の未来はどうなってしまうんだろうと心配になったなあ。0になるのは寂しいから、せめて1でも続きますように。

本だけに限らず、コロナ禍で今まで細々とやってきたお店がぱたぱたと店じまいをしていく現状。都内でもそうなんだから、地方はもっと急スピードかもしれない。

中村洸太さん、存じ上げなかったけどこれからのご活躍を楽しみにしております。

(後からまた追記するかも…)
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