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殺しの分け前/ポイント・ブランクのtのレビュー・感想・評価

4.8
とにかくアブストラクトなハードボイルド作品。奪われた金を求めて組織に立ち向かって行くリー・マーヴィンの妄想か、そもそも彼は存在していないんじゃないかと思わされるサイケな演出の数々に戸惑いつつも痺れる。特に序盤の決めまくりな構図や編集は失禁レベルの格好良さ。廊下を歩く足音から妻のいる部屋に入る辺りがベスト。
何度も過去の断片がフラッシュバックしたり煙に巻かれっ放しであり、ラストも何で?となる(2回観て何と無く解釈できたがまだ分からんとこだらけ)が、個人的には大好物であった。
前年の清順「東京流れ者」のようでもあり、スクリーン裏での暴力など「野獣の青春」じゃないか。
BD買って良かった。
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