ぱりぱり

全身小説家のぱりぱりのレビュー・感想・評価

全身小説家(1994年製作の映画)
3.0
なんというか、初っ端から生々しくて、途中でもう胸焼けしてしまった

なぜあんなに中年や高齢の女性たちが井上に恋焦がれているのか、彼の魅力は分からなかったけど、女性たちの恋してる表情や語りぶりも生々しい
本当に苦しそうで、これが恋愛なのかと思った。こんなの見てしまったら、映画で描かれている可愛い恋なんて全部絵空事じゃん!

生々しさは人間らしくていいんだけど、なんだか苦手だったな〜なんでだろう
またいつか見直します

私は小さい頃から今でも、嘘って悪だと思ってて、嘘つくと罪悪感に私は襲われるけど、これ見て少し考えが変わった

嘘はある意味芸術かもしれない
事実をそのまま言えないから、他の形で表現されたものが嘘。それが嘘だと分からなければ、ただ単にみんな騙されているだけになってしまうけど、
それが嘘だと分かったら、このドキュメンタリーみたいに、嘘をついたことでその人が隠したかったことが分かり、そこからその人の苦しみ、羞恥心、自尊心を解釈できる。
どんな嘘をつくかにもよるけど、嘘も立派な芸術じゃないか〜

ということで、今の私には心地よく観れる映画ではなかったけど、いい映画でした



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だからね、フィクションの根底はリアリズムなんです。その欲求とリアリズムの関係をどうするか想像力によって、それが一番難しいところなんです。

各人間が死ぬかもわからないようなところを通過してきますとね、やっぱり少し優しくなるんじゃないでしょうかね、相手に。

上品に、しかも激烈に。やりたいこと全部やった方がいいよ、それがね生きるっていうことなんです。