Violette

ヒトラーのための虐殺会議のVioletteのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
4.7
ヴァンぜー会議議事録を元にした作品。

公開前の宣伝でこの作品に対して「悪の凡庸さ」を当てはめていた人が数名いたが、これのどこを見るとそう思うのか。アーレントの言ったアイヒマンに対する「悪の凡庸さ」は誤りであり、彼自身はただの機械的に従う凡庸な公務員ではなかったことはこれだけを見ても明らか。現在の研究でアーレントのこの私見は否定されている。「悪の凡庸さ」が当てはまるのはここには映らないドイツを始めとした欧州各国の数多の市井の迫害に加担した人たちに当てはめるべき言葉だ。

本会議含め「最終解決」についての専門書を読んできたので内容に驚きはないが、演じられることによってより現実味が感じられた。

よくできた作品だと思う。
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