碧

正欲の碧のネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。

だったけど、観賞後に原作購入。
耳より文字で視覚に捉えたい部分がかなりあったので。
それだけストレートに表現されていた気がした。

『リゾートバイト』に続き、わりと地元で撮影されていてビックリ。

感動を覚えたほど正直な作品だった。

不登校の小学生。
男性がダメな女子大生。
そして、水フェチの2人。

それらを「ありえない」の一言で片付ける検事の寺井(稲垣吾郎)が一番歪な人間に見えた134分。
そして恐ろしくハマっていた。

凄く好きだった場面。
夏月(新垣結衣)が「一度体験してみたい」と言って、佳道(磯村勇斗)と見当だけで男女の営みに挑戦しているところ。

「普通の人達って何か大変そうだね」

水にしか性的指向を持たない二人のその感想が、何とも正直である意味無垢でとても清々しかった。

他人の普通が理解出来ない。
自分の普通が理解されない。

「多様性」を簡単にわかった気にならない自分でいたい。
そう心から思った。

「指輪をしてるから結婚してる」
それも一方的な理解に過ぎないのだから。

難役をどんどんこなす磯村勇斗は言わずもがな、魂も目も死んだ新垣結衣は一見の価値がある。

大也役の佐藤寛太、八重子役の東野絢香も相当な表現力。

そしてラストのVaundyが最高。

あと一歩物足りなかった感じは、これから読んで補える気がしている。
碧