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正欲のandardのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.8
少数派にも属さないような少数派の人達の話。
朝井リョウの小説の映画化。

原作の内容を十分に伝えている。
映画としての魅力はまあまあ。

そもそもこの原作はトップクラスの知名度を持つ俳優を使って映画化するような話ではないと感じた。
WOWOWやNHK BSあたりでドラマ化する位がちょうどいい。
興行収入を意識せざるを得ない映画とは食い合わせが悪いように感じた。
実際にこの話に出てくるような人達は、権利を主張するパレードをやって欲しいのではなく、そっとしておいて欲しいだけなんじゃないだろうか。

原作に感じたことだけど、生きづらさはわかるけど、人はそんなに性志向のことが生活の中心を占めるものだろうか。
朝食を食べながらユーチューブでお気に入りの動画を見ずにはいられないんだろうか。
それは異性愛者が朝から異性の裸体を見るようなものなのではないのか。

自分が理解し合える相手を見つけた途端に、他の同類を救おうとする姿勢は、例えば独身同士だった友人の片方が結婚した途端に、お前も結婚したほうが良いよ、などと言い出すような醜悪さがある。結局破綻にも繋がる。

子供の動画にコメントを書き込んで好みのプレイをリクエストする行為も、置き換えると、もっと肌を露出して欲しい、とリクエストしてるのと同様で、一線を越えた行為であり、それを同好の士を見つけたと喜び、コンタクトを取る感覚も理解しかねる。

指向なのか嗜好なのか。

検察は具体的な証拠もなく子どもと写ってる写真だけで何を立件するだろうか。

セリフではYouTubeと言うのに映像では別のタイトルでYouTube風にしているのはどういう理由だろう。
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