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正欲のcocoのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
4.6
舞台挨拶のライブビューイングに行きたくて
朝9時上映回にて鑑賞。

今年も、あと少しだけど、今のところ
今年1好きな作品でした。

✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽
朝井リョウさんによるベストセラー小説
『正欲』を実写化。
不登校の息子をめぐって妻と衝突を繰り返す検事、寺井啓喜(稲垣吾郎)。
秘密を抱えて生きる夏月(新垣結衣)と
同級生、佳道(磯村勇斗)との再会。
男性に恐怖心を感じる女子大生(東野絢香)と
同級生、大也(佐藤寛太)への恋。
様々な異なった生き方、背景を持つ5人の
関係が徐々に交差していく。
  ✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽

ガッキーのキラキラって消せるんや。
そんな事を新垣結衣さん演じる夏月の登場シーンで思った。

劇的な何かが起こるとかでは無いけど
主要キャスト5人が、それぞれに素晴らしく
良く、一瞬たりとも見逃したくない気持ちに
なる作品でした。

稲垣吾郎さん、磯村勇斗さんは最近出演作を
観る度に、好きが増していく。
2人の演技も見た目も凄く好き。

稲垣さんの最近の出演作ってジワジワ響く物が多いなー。

新垣結衣さんは、今回の作品で
こんなに演技力ある女優さんだったんだって
思ったくらい一皮剥けた感じがした。

そして今回ビックリだったのは
佐藤寛太さんと東野絢香さん。
2人のシーンが刺さったーー。

特に東野絢香さんの演技が泣けた。
佐藤さん演じる大也の言葉に反応する
後ろ姿が最高に愛おしかった。

5人以外にも山田真歩さん、宇野祥平さん、
徳永えりさんなどなど脇役も曲者揃い。

生きづらさを感じ、【みんなと同じ】に
なれない自分に苦悩する人たちと
【普通】に囚われ過ぎて【みんなと違う】ことを
恐る人たち。

私は、どちらの気持ちも理解出来るけど
、それでいて私ごときが、わかった風に、
この作品を簡単に語りたくも無い気持ちにも
なる。

みんなと違って何が悪いとも思うし、
でも自分の子供が不登校でYouTuberに…って
なれば、ちょっと受け入れ難い。

昔は「普通、こうやん」が口癖だったけど
歳を重ねるごとに「普通って何やねん」って
自分にツッコむ事が増えて【普通】を言わないように気をつけてる。そんななので、どちらの
言ってる事もわかるから余計に刺さる。

一つ一つのシーンやキャストの表情、
全ての切り取り方、水のシーンの美しさ、
私まで水に魅力を感じそうになるw

静かに淡々と終わっていくのかと思っていたら
後半ちょっとドキッとした。




✄-----------ちょいネタバレ有--------------✄
きっとこの作品を撮った時、もっと言えば
原作が書かれた時には今のJ問題で世間がこんな事になっているなんて思いもしてなかったはずで偶然だと知りつつも今観るには、タイムリー過ぎてその描写大丈夫?ってソワソワしてしまった。


【この世界は、誰もが「明日死にたくない」と感じていると言う大前提で成り立っている】

【みんな違ってみんな良いなんて困るんです】

刺さりまくる台詞が多く原作を読みたくなった。
読もっ。

で、エンディングvaundy最高。
vaundyの曲を最後まで聴いて一つの作品として
完成するってくらい、作品と曲がピッタリ。
是非最後まで堪能して欲しい。

余韻の残る中、舞台挨拶中継。
司会の方の偽装結婚って言葉に、ん?
あれって偽装結婚とは違うんじゃ?って
思ったらガッキーも同じく偽装に引っかかった
感じで共感。
偽装結婚とは違う。
むしろ精神的に支え合って理解し合ってる2人の新しい夫婦の形が素敵だと思った。

観終わったばっかりだけど、また観たい。
何度も観たい。好き。
coco

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