ユメケユカ

正欲のユメケユカのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
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『多様性や個々を大事に』なんて風潮がある世の中で、それらを意識しつつも、心のどこかで"普通"を求めたり、他人にも"普通"を押し付けたりしてしまう矛盾を実感した。私も大概、"普通"でありたいと思ってしまうところもあるなと。でもその"普通"が誰かにとっては"異常"かもしれなくて、 人それぞれ違う指向を持っていて当たり前なんだから、自分と異なる人でも認め尊重し、支え合える人間でありたいと思った。人と人が手を取り合って生きていくことで生きづらい世の中で少しでも息がしやすくなるのかなと感じた。また特に新垣さんの感情の出し方や表情にとても心揺さぶられた。学生時代の夏月と佳道が水に濡れるシーンは純粋に美しいと感じてしまうくらい役者さんの映し方と水飛沫が凄く丁寧だと感じた。キーの1つになっている『水』の流れや粒がすごく綺麗に丁寧に映されていたり、人物の表情が繊細に捉えられていたりなど、映像美も素晴らしくて見入ってしまった。観ている最中からずっと考えさせられる作品だった。
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