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正欲のメッチのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
4.6
『性(さが)』も『欲(よく)』も誰しも持つものに『正しさ』とは何なのか?

浅はかな私には『多様性 = LGBTQ』と考えがちでしたが、本作によってそうではないと思いました。
そもそも、『正しさ』とは何か?少なくとも、『普通 = 正しい』ではないということを前提にみていただきたい作品。この作品をみおわるときでさえも、『普通 = 正しい』とはいいきれない。

このお話の主人公は、稲垣吾郎さん演じる検事の寺井圭吾は物事を一括りする方いわば『普通』の方。私はこのキャラクターに感情移入ができませんでしたが、世の中にはいろんな考え方があることをなぜ理解できないか?と、そのキャラクターに思いましたが、それは前半まで。お話が終わる頃には、寺井圭吾の考え方に「理解できなんてあり得ない」と思ってしまったことに気が付いたから、結局寺井圭吾の考え方と変わらなかった。

あとは、原作は未読でも特殊性癖を取り上げたニュースを鑑賞前にみていたので、事前に理解はできていた状態で鑑賞。このお話から伝わったことは、性癖は人それぞれであれば、誰もが全員同じとは限らないのではないかと。人の考え方と人の見方を押し付けていなかったと思えましたし、というか押し付けられても困るという話し。

登場人物たちの水に性を感じることについて、正直なところ私は否定せず理解できても分からないのが現状。結局そういうものなのではないのかな?と。分かった気になるのも違う話ですし。

でも、枠組みから外れているだけの理由で排除するのは、どうかとは思います。
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