誰しも人には見せられない部分があるよね、ってそんな言葉で括る映画ではない気がする。
途中から手汗が凄くて、観終わる頃には指がシワシワになっていた。ゾワっとした。自分の体が、脳みそ以上にこの映画への衝撃をもろに受けていた。
「この映画を観て救われる人がいいな」とかいう言葉が一瞬でも頭によぎってしまった自分に大きな嫌悪感を抱いてしまうような感じ。
「この世界で生きていくために、手を組みませんか」
マジョリティだのマイノリティだの性的指向だの、枠に囚われるなという風潮が生まれつつあるけれど、結局、私たち、少なくとも自分はこの言葉=「枠」をくれる人を求めているのかもしれない。
理解されないことに苦しんでいるんじゃなくて、同じ境遇にいる人間と精神的な繋がりを持っていたい。全人類に“そうだよね〜辛かったよね〜”と寄り添ってもらいたいわけじゃなくて、ただ自分がこの地球で住みやすいように、余計な干渉はしないでほしい。そんな叫びがどこかから聞こえてくるきがした。この感想だって、読む人によっては理解してるフリにしか見えないと思うし、自分がこの作品や登場人物たちを理解したとも思えない。
2時間で飲み込むことがあまりにも難しくて、もう少し時間をかけて落とし込んでいきたいと、帰りに本を購入した次第です。
この作品の感想は、自分の価値観を大事に受け取ってくれる人とだけ大事に話したい。
