「”世間並み”に擬態する」、佐々木と桐生の姿がすごく胸にストンと落ちて、自分のための作品コレクションにこれも入れようと思った。映画ではないけど、私は「ダルちゃん」がとても好きなので。
どちらかといえば私は世間的には”マイノリティ”側だと思うけど、この世のマイノリティである人たちのすべてに共感や理解ができるかはわからない。マジョリティ的な思考部分も自分の中にはあると思っているし、それは別に「悪い」とかそういうことでもないと思う。あの検事が絶対悪ではないように。
（と思うと、ほんとのところでのマジョリティとマイノリティの境目ってなかなか難しいだろうな）
人間同士なんてまず分かり合えないことの方が多い。近いと思っていた人だって結局遠かったり、遠ざかったり、そういうことの繰り返しばかりで「ひとは結局ひとり」と個人的には思う。
それでも誰かにそばにいてほしいし、できればその人に自分のことを理解してもらえたら嬉しいと思う。そういう気持ちを、時間をかけて丁寧に描いていたと感じる作品だった。
磯村くんがとにかく良い。優しい声のトーンの磯村くんにかなり心を奪われた。というかもはや佐々木くんに心奪われたんだと思う。柔らかいんだけど実態のないかんじの、ほんと水みたいな青年だった…
え…？
ちなみに「死んだ蛙みたい…」って思ったことが自分もあるので、同じことを思っている人がいて安心しました。なにとは言いません。
