このレビューはネタバレを含みます
読書というものをほとんどしないですが原作『正欲』は夢中になって読みました。
ノリノリ作家によるキレキレ小説でした。
ここでちょっとだけ原作で好きだった点、衝撃だった点、映像化するならこのシーン見たいと思った点をひとつずつ。
・珍しく僕を活字の世界に引き込んだのは物語全体に仕掛けられたミステリー小説のような大きなミスリードでした。気持ちよく思いっきり騙され、この本のもう一つの柱だったと思います。
・映像化した時の為に作者が仕掛けたと思わしき音を使った小気味良いトラップ。
「映像化も視野に入れてるな?」とニヤっとしました。映像化するならここは押さえて欲しいと思って読んでました。
・検事の、本人さえ気付いてないかも知れない検事自身が持つ性癖のシーン。
これがこの本の中で一番の衝撃で、話の本質的な部分に深みを与えるものでした。
この3つが果たして映像化されてるでしょうか?
蓋を開けたら3つともカットされてました。1つ目は無くても話の根幹に関わる事ではありませんがカットにより原作と映画が別物になってしまった。面白さも大幅カット。2つ目はあってもなくても良い。3つ目ですよね。ここ外すかぁと落胆しました。ここがすごいのに。
気を取り直して。。。
ガッキー&ゴローの爽やかコンビ。
ゴローは自身のイメージにさほど響かない役どころでしたが、ガッキーはタレントイメージを覆すほどの鬼気迫る名演で驚きました。
冒頭から水を出してその後もちょいちょい水の大写し。水のシーンにアテンション的なご丁寧に説明SEもついて一体誰の為の親切心なのか…中盤まではもっと控え目にして欲しかったです。
話の本質は水フェチという特殊な性癖を抱えた人間の心の有り様と社会でのポジションであり、水そのものはきっかけというかモチーフに過ぎないのに、あんまり水水やって本質がボヤけたという印象。
今回は原作に思い入れあり過ぎてまともな感想にならなかったですね(笑)
原作は衝撃作、映画はマニアックな内容にしてはまぁまぁ面白いという感じになってしまったなと思います。
家で液晶テレビで観ても遜色ないです!