ダイバーシティ、多様性、最近はそういったことを認めることが当たり前の正しさとされていますが、それは所詮建前。この作品に出てくる人々は、どちらの側にいる方も嘘をついています。いま世界や社会は乱暴にマイノリティを排除することは憚れていますが、でも安易な理解でその人々を隅へ隅へと追いやっていることもあるではないでしょうか。
劇中、主人公の2人が、彼らには決して叶えられないことを試します。その多幸感が素晴らしく美しい。自分たちには想像も理解も届かないものへのアプローチ、そのヒントにはなるのではないでしょうか。