この星の〝多様性〟という枠からも弾かれる人々。所詮は大多数が理解できるものだけを許容し、その範囲に収まらない者は排除する…
そんな生き辛さを抱える人々の〝生〟や〝性〟に寄り添いながらも無理に理解することの無意味さ、自分の中の正常が揺らいでこその変化を慎重に描いてたし、稲垣吾郎さん演じる検事に安易なレッテルを貼らないのもとても良かった。
誰もが多かれ少なかれ社会や集団の調和を乱さぬよう無事に生きる事に専念してるとは思うけど、その無事に生きる辛さを誰とも共有できない人がいること…
理解どころか想像すら及ばない世界を尊重する事の難しさを突き付けられたし、〝正欲〟を手繰り接触する夏月と佳道の関係性がスッと心に浸透してきた。
彼女たちの生きてく為の選択は欺瞞的なようで、とても合理的で健全なものに思えたし、正しく欲を満たし合うガッキーと磯村勇斗さんの捉え所のない演技も良かった。
そして終始〝普通〟の視点を貫く吾郎ちゃんの薄情と厚情の両面で魅せる絶妙なハマリ具合も最高でしたw
あと、大学生•神戸八重子を演じた東野絢香さん、たぶん自分はお初にお目にかかると思うけど、真に迫る演技が素晴らしかった！
まあ答えは見つからない映画ではあるけど、
観て良かった。
