正欲のゆうのレビュー・感想・評価

原作が好きなので鑑賞、ちょっと単純化されてる感じはするけど割と好きな感じの仕上がり。
自分が想像すらし得ないようなものに対しては、誰も理解も共感もできない。
考えるだけでありえないと唾棄したくなるようなものに対して人はどのような態度を取れるのか。

序盤の目が死んでるガッキー見て、さすがに全盛期は過ぎたか？ってなったけど、2人暮らしのシーンからのキラキラガッキーを観て本当に演出と演技すげえなと思った。

世界の何処にも居場所のない2人がかけがえのない閉じた世界で生きていくラブストーリーが好きなのでドンピシャでした。まあこれはラブではないのか。
男女愛以外のものを暗に否定し続ける世界で、それでもささやかに幸せに生きていきたいという切なる願い。
この世界が肯定する未来像や生き方の終着点が一切自分には見えてこなくても、それでも生き続けなければいけない。
幸せのかたちや生き方が変わっても、誰にも理解されずに独り生きていくことは難しい。みんな理解し合える誰かと一緒だといいね。本当に。

ちょっと水に寄せ過ぎている感じは否めないけど、とてもよかった。好きな映画。