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正欲のToday4601のレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.8
原作既読。原作よりはソフトにけれど軸になる部分はしっかりと描かれていた印象だった。
この世界に自らを繋ぎ止める重しを探す人達が(世間的には)偽りであろうと誤魔化しであろうとそれを手に入れたことは有り難くかけがえのないものなのだろう。夏月(新垣結衣)の表情の変化がそのことをよく表していた。反対に「普通」であることを当たり前と思う人達の足場の危うさが寺井(稲垣吾郎)からは伝わる。
所詮他人の胸の内は理解することは無理。「流浪の月」の時にも感じたがほっておくことが一番理解に近いのではないかと思えるのだけれど。
八重子の背景が映画ではあまり語られなかったが演じる東野絢香さんが素晴らしかった。
(小説の中では一番本音を語り一番嫌いな登場人物だった。)
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