浅井リョウ原作。とある性癖を持った主人公と正義を盾に生きる検事である主人公らが交差する中で、「普通」とは、「生きる」とはを考えていく物語。多様性が謳われる社会の中で、実際には多様性が実現されてない、理解されきれていないことに対する疑問を体現してくれた作品だと感じた。今作では、多くズームアップが用いられているが、その演出を裏切らない俳優らの生の演技に心打たれた。そんな彼らに「普通」とは何かを終始問われ続ける、そのように感じた。「普通」には、基準も正解も存在しない。それなのにも関わらず、自分の、そして社会の「普通」の尺度で人を見てしまう、そんな自分に気付かされた。映画のラストに心打たれた。「生きづらい」そう思っている人にこそ観て欲しい名作。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ＴＯＨＯシネマズ学生映画祭実行委員
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
