圭佑

正欲の圭佑のネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


朝9時からでしたが舞台挨拶中継もあるとのことで、
行ってきました。

感想はネタバレもしているので、気になる人は観てから読んでください。
ネタバレせずに書くことが難しいです。
そんな映画でした。

感じたこと思ったことを纏めるのが難しいので、
とりとめもなく思ったことを書きます。
ネタバレも含みます。

心、生き方、人間そのものを扱う映画は好きだ。

絶対に理解してもらえない
それでも理解したいと思う心
そういう人も誰かに好かれるし、
本当のことは分からないまま好きになることもある。

誰にも本当の気持ちは吐露出来ないけれど、
だからこそ、そんなその人に惹かれる人もいる

恋や愛を語る映画ではないが、
恋や愛の在り方を考えさせられる映画ではある。

マイノリティとマジョリティ
相反するこの2つのカテゴリのどちらかに、
当てはめるのは簡単だが、
この2つのなかにも、さらに細分化された個人がいて、マジョリティにいる人も一括りには出来ないし、マイノリティ同志だから必ずしも分かり合えるわけでもない。

「他人を好きになる」こと
「自分を好きでいる」こと
このどちらかで人は生きていけるのかもしれない。大多数の人はその両方を求めて生きていくが、それが難しいと分かった時に、どのように折り合いをつけていくのか。

明日も生きるだろうと思っている人達の為の情報は、
明日生きたくないと思っている人には必要がない。
情報が多いことが必ずしも良いわけじゃないけど、選択肢が増えることで救える心もある。

1人で生きることの孤独さを感じることは、誰にでもあるという前提での話になっているが、この映画の本質を考えると、その前提によって苦しんでいる人もいるかもしれない。

小説を初めて読んだときの衝撃は、もう2度と味わうことは出来ない。
内容を知った上で、あの内容をどのように映像化するのかに興味があった。
映画として上手くまとまっているという表現が適切なのかは分からない。
役者の表情で喜怒哀楽を語る映画。
その奥底の気持ちは観客に委ねられる。
そうしないと表現できない事象を扱っている。

人にオススメをして良いか迷う。
これは「正欲」の小説を読んだ時の感想でもあった。ただ、この内容を皆が理解できなくても知っているだけで良いのではないか。
そう感じたから、今はものすごくオススメしたい。

この映画に出てくる登場人物達に、共感できることはかなり少ない。自分自身の心の奥深くに潜らされる感覚があり、見たくなかった、奥底にしまっていた自分の心も浮かび上がってくるような気がした。
そんな映画だった。
圭佑

圭佑