不登校の息子を持つ検事の男、実家暮らしの女性販売員、両親を事故で失くし故郷へ戻ってきた男、恵まれた容姿を持つ男子大学生、男性恐怖症の女子大生。
職業、年齢、家庭環境などの背景が全く異なる5人。悩み、もがき、衝突しながら彼らの人生は交錯していく。
「普通」とは一体何か？
学校へ通い、職を得て結婚し、子どもに恵まれる。
世間一般的に“普通”とされる人生。1つでもレールから外れると普通ではないのだろうか？現実と理想の乖離、他者との比較、周りからの価値観の押し付け。皆と同じレールを歩むのが普通で幸せなのだと自分も思いたいが、レールから外れてしまった時、
一気に自分の存在意義を見失い、悩む。
色々考えた結果、”普通“に見えるよう自分の“一般から外れた”部分を隠し、生きづらさを抱えつつも周りに擬態して生きていくのだ。明日には消えたいと願いつつ。
親子、恋人、友達、現実社会とネット社会。この世界は単純ではない。安心感と危険性は隣り合わせだ。それでも自分と同じような誰かと繋がっていたい。繋がることで自分の存在意義を確かめたい。消えたいと願いながらも、根底では生きる意味が欲しい。皆と同じ土俵に立って安心したい。
自分と他者の望むものが、この世界で正しく交差した時、誰かと繋がり合える。それが“普通”の望みではなくても。
正直、めちゃくちゃ刺さった。
もっと早く見れば良かった。見て良かった。
