このレビューはネタバレを含みます
稲垣メンバーは正しさに取り憑かれた人だけど、正しくなさの中にも正しさを求める人なんだと思いました。
彼の中では、小児性愛者はある意味その存在を許容できる正しい悪だけど、水フェチはその範疇に無い存在なんでしょう。そういうところが興味深かったです。
とはいえ、メタ的にも登場人物の言動にも物申したくなってしまう自分は、多様性を尊重できない側なのかなと思いました。
まず水フェチって共感は出来なくても、なんだか美しくないでしょうか？そこに逃げを感じてしまいました。
少なくともあの人たちって水に性的興奮を覚えるっていう設定だと思っていたのですが、子供みたいに水遊びしてはしゃぐだけで満足なのでしょうか？
これが多くの人が眉を潜めてしまうような薄汚いフェチだったら物語の見え方が全然違ってくるように思います。
また各々の生きづらさを描くパートでは、その生きづらさの原因ってフェチのせいじゃなくて反社会的な行動のせいでは？と思ってしまう場面が多かったです。
稲垣メンバーが家庭で孤立しているのも、多様性への不理解がネックになっているというよりもモラハラ気質が最大の問題だと感じました。
そういう点でピントがズレているというか、論点をズラされているようなモヤモヤを感じました。
ついでに言うと個人的に性犯罪者は社会から隔離した方が良いと思っています。
性犯罪者の話と多様性の話を絡めて語るシーンがあったように思いますが、それらは全然違うんじゃないかと思いました。
