このレビューはネタバレを含みます
「普通」と言われる枠からはみ出たLGBTQ、そこからもはみ出た、どこにも属すことができない人たちが苦しむ。
直接的に「苦しむ描写」があまりないから、映画だけだと「水フェチ」(正確にはこの言葉も適切ではないのかも)の人たちの苦しみや生きづらさを読み取りきれなかったのが悔しいところ。
最初の所感では、その辛さを「事実と異なる逮捕」という形で無理矢理表現したのかなと思った。
性犯罪者と誤解され、説明しても「ありえない」と一蹴される苦しみのような。
ただ、実際は「水フェチ」であることより自分を隠しながら生きていかねばならないし、LGBTQのようなカテゴリーも世の中に存在しないから、同じ嗜好の人と繋がることもできない世界に対して絶望していたのかも。
(恥ずかしながら、原作を読んだ人と一緒に話している中で気づいた)
自分たちのカテゴリーもなく、開示もできない中で繋がれる喜びや、最後の「いなくならないから」って言葉の嬉しさは相当だったんだろうなと思った。
