ナリコ

正欲のナリコのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

正欲というか、水欲というか。

色々な欲を持った人々の葛藤が描かれるのかなぁと思ったら、水が多すぎやしねえですか。
ダンサーの人とか、あんなに人を拒絶して葛藤して、所属していたダンスグループ辞めて…ってのがあったので、これはとんでもない欲をお持ちのようだと思ったら、お前も水かい! っていう。
彼にあんだけ熱く語ったあの女の子が可哀想になる。

欲自体は別に、それがどんなものであっても持っていること自体は悪いことじゃあなくて。ただそれを表に出しちゃうと犯罪性があれば裁かれるし…みたいな。

それを絶対に表に出さないよう歯を食いしばって耐えてる…みたいなのをダンサーのところで描写すべきだったと思う。折角良いシーンもあったのに、結果、水はないんじゃねえのかなと。

ただ、それを我慢出来なかった奴のシーンは結構攻めていて、実際子供が映ってる上で、それを仄めかすセリフもあるしで、ここはかなり頑張ったんじゃなかろうかと思った。

ガッキーの無気力顔が意外と良くて、しかもこんなシーンやるんだ、みたいな驚きもあって良かった。
ただ仮面夫婦の契約結婚は、どこかで見たような気が。

そのガッキーが正常位の真似をするシーンで、普通の性行為を茶化すというか、こんなことしてんすか? みたいに仰るところがとても見ていて恥ずかしかった。
俺たちは周りとは違うぜ! 地球じゃ生きにくいぜ! って言ってたのがませた中学生程度の思想に見えてしまい、意外と浅いのか? みたいな。

稲垣吾郎のモラハラ旦那っぷりも良かった。この人マジでそういう人なのかもな感があって。

原作がどうなってるかは分からないですけど、あそこで終わりではなく徹底的に描き切って欲しかったなぁと思いました。
ナリコ

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