Saeko

正欲のSaekoのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
4.0
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性欲って誰にとっても基本後ろめたいものだと思う。それでも私が、私たちが抱えてる欲望はあっていいものだと思いたい。

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(僕には)同じことを誰かと分かち合うとか、そんなの全然なくて…それが罪なんですか?
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そんな言葉が飛び交うこの作品は、多様性/ダイバーシティという価値観、概念が社会に広まりつつある昨今で、言い方は良くないのかもしれないが、いわゆる多様性という言葉が出てきた所以でもあるマイノリティ側の人たち、本作では、水に性的興奮を覚え、それを誰にも伝えることも理解してもらうこともでぎず、結果社会に馴染めず、苦しんでいた人たちのお話である。(馴染みたがっていたわけではない。)

この作品を見て、素直にまず私はマジョリティ側の人間であると思った。それは、自分がも持つ欲や好きなものに後ろめたく感じたり、それを誰かと共有できないで、生きづらさというものを感じたことは特にないからである。

私たちが住む日本という国は特に集団主義で、同調圧力も強く、異質なものを排除しようとする傾向があるように思う。子どもから大人まで、いじめが無くならないのも上記の内容を裏付ける事実の1つかと。

そんな世界で、マイノリティとして生きる人の視点で物語を見ていくと、こんなん強くないと生きていけないじゃん!( ; ; )ってなります。苦しいんだもん。

そしてこれがねまたマジョリティ側の人間が嫌なやつに見えるんですよ。
「理解できないものは受け入れない、だってあり得ないんだもん。」「理解しようとしてやってんのに…!」これ、冷たいですよね。でも、私も表には出さないものの、こういうこと思ったことあります。

・知らぬ間に誰かを生きづらくしてしまっているのかもしれない。
・誰かを地球に来た留学生にしちゃっているのかもしれない。
・もはや普通ってなんだ?
・マジョリティが持つ価値観ってなんだ?
と段々何書いてるのか分からなくなってきつつあるので、また落ち着いたらこの感想を見返して、もしかしたら手直しするかもしれないです。お疲れ様でした。
Saeko

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