みかんぼうや

正欲のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.6
劇場鑑賞したいと思うほど期待しながら結局配信待ちとなった作品。正常と異常、常識と非常識、普通と特別の狭間のなか、自分の立ち位置と観るポイントで様々な評価ができそうな興味深い作品。

でしたが、「前科者」の時から感じていたこの監督の作品との相性の悪さを本作でも感じてしまいました。リアリティがあるような作りではありながら、自分にはどこか不自然に感じる部分があり・・・私自身が、あまり人に共感されない特殊なフェチや癖のようなものを持ち合わせていないからか(私がそう感じていないだけなのかもしれませんが)、少なくともそれで理解されないことによる孤独感や疎外感を持つ状況になったことがないため、登場人物たちの苦しみにイマイチ入り込めなかったこともあるのかもしれない。かと言って、その価値観を否定するスタンスも全くなくないのですが(私が、基本的に「みんな好きなことなんて違っていいし、理解されなくてもいいじゃん」と思っているからかもしれません)。

ということで、期待ほどは刺さらなかった作品ですが、死んだ魚の目をした普段の爽やかさの微塵も感じさせないガッキーは新鮮。しかも、後半に“繋がり”を感じることで、少しずつ普段のガッキーらしい表情も見えてくる。これは女優としての新境地突入でしょうか?吾郎ちゃんの演技は、十数年ぶりに観ましたが、昔に比べてだいぶ自然で良かったです。吾郎ちゃん主演の「窓辺にて」を楽しみにとっているので、そちらの鑑賞がさらに楽しみになりました。
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