このレビューはネタバレを含みます
昨年評判良かった作品ですね!
不登校の息子を持つ検事、ショッピングモールで働く桐生夏月と同級生の佐々木、大学生の大也。生き辛さを抱える彼らの群像劇、ってお話ですね。
うん、興味深くはあり、最後まで飽きさせなかったし、俳優さんたちも良かった。映像も綺麗で見応えはありました!
しかし、共感はできない派、でした。私が若く無いからってのもあるのかな。原作未読につき、原作には違う感想を持つかもしれないけど。
生き辛さを抱える人、というテーマから、同性愛とかトランスジェンダーを想像していたのですが、そういうんじゃ無く、水に欲情する人たち、の話。
み、水…? それを思い悩む3人が描かれますが、悩むのはわかる気はするけど、3人とも悩み過ぎ、に見えてしまった。
悩んでいるとはいえ、両親や同僚に酷い態度を取る新垣さんは随分と大人げ無く見えてしまったし、大学生の大也君が自分に恋する彼女を傷付けるシーンは八つ当たり?という感想でした。
性的マイノリティの人が、孤独を感じてしまうのは理解できる気がする。でも、四六時中それに囚われているように見えるけど、ダンスは好きだったり、美味しいものを食べたり、他にも好きなことはあるよね?
明るく生きてるフェチ持ちだって、たくさんいるはずだし、水フェチって誰にも迷惑かけてないから別に問題無いのでは。噴水設計の仕事を目指すとか、ナイアガラの滝を見に旅行に行くとか、するのはどうかしら?と思ってしまった。
まあ、綺麗な話にするための架空性癖が水フェチで、人に知られたら引かれてしまう嗜好や、犯罪になる趣味も世の中にはあるから、そういう嗜好を持って生まれてしまった人間の孤独、っていうのはあるのかな。
孤独と絶望感に苛まれる人が、それでも他者と繋がりたいと思う話、それは良いテーマだと思うけど、もうちょっと現実にあるフェティシズムにしたらリアリティあったのかな。
しかし、一体何のフェチなら良さそうかといえば、なかなか思い付かなかったし、変テコ過ぎるフェチだとコメディっぽくなっちゃいそうだし、難しい。
俳優さんたちの体当たりな演技など、見所は色々あったけど、見る人は選ぶかもしれない。私はちょっとあわなかったかな、という感想ではありました!