多様性が社会の共通認識として浸透する中で、マイノリティである人たちがどう自らの欲求に折り合いをつけ日々を過ごしていくのか、ということをテーマにした作品でした。
一昔前なら孤立するだけでしたが、今の時代なら繋がることができます。凄い時代になったものです。
対比構造として、稲垣吾郎演じる検事が「普通」でないことを受け入れられないマジョリティを代弁しています。彼は理解しようという気持ちがあるものの、固定観念が邪魔をしているように見えます。そんな葛藤が垣間見えました。
配役の中では東野絢香さん演じる神戸という大学生が一番印象に残りました。諸橋君との教室での一幕は迫真で、迷いを吐き出してスッキリしたような演技がとても良かったです。迷惑をかけなければ、誰が何を好きになろうと本来自由なはずです。
誰もが程度の差はあれ生きづらさを抱えているわけで、その生きづらさと向き合うきっかけとして、見る意味のある映画だと思いました。
