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ウィッシュのTSのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
2.8
【ディズニー100周年記念作品、という冠をかぶっただけの作品】65点
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監督:クリス・バック/ファウン・ヴィーラスンソーン
製作国:アメリカ
ジャンル:ファンタジー
収録時間:95分
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 2023年劇場鑑賞49本目。
 ディズニー100周年記念作品。まずは改めてディズニー100周年おめでとうございます。世界一のアニメーションスタジオといっても過言ではないディズニーは、どんどん勢力を広げているように思えます。ただ、一方で後述するように行き過ぎたポリコレなどが影響して最近は少し伸び悩んでいる模様。何事もやりすぎは良くない。今作も残念ながら、記念碑的な作品としてしか機能していなく、作品自体面白いかというと首を傾げてしまうレベルであります。よく言うと原点回帰、悪く言うと無難すぎて見どころがない、といったところでしょうか。

 17歳の少女アーシャが住む国は、どんな願いも叶う魔法の国であった。しかし、国王は民の願いを奪い取り、魔力を得ようとするのだが。。

 一国の王の悪事を民が暴いていくという、王道の展開。別に新しいことを毎回やる必要はなく、その展開自体に文句はありません。ただ、やはりそこに至るまで夢中になれる要素が欲しい。残念ながら、人々の願いを丸い玉に納めているだけというのは何の捻りもなく面白味もありません。唯一楽しめるのはミュージカル要素でしょう。ただ、これも目玉の主題歌以外はパッとせず、もっと子どもから大人まで見ていてワクワクできるようなミュージカルが欲しかったところです。昨今のディズニーやピクサーにあったクスッと笑える要素もなく、おそらく100周年の作品だからかなり無難に作ったのだろうと推測されます。で、そこに昨今流行りのポリコレ要素を惜しみなく入れてしまうのだから、いよいよ本当にただ作品として残しただけという感じが否めなくなります。

 これならば、同時上映の短編の方が幾分面白かったですね。こちらが本編じゃないのかというくらい、メッセージ性は皮肉にも短編の方があったような気がします。米国では今作はかなり苦戦を強いられているようで、昨今のディズニーはなかなか劣勢であります。最近のニュースでもありましたが、ディズニーは確かに何かメルクマールとなる作品を残そうとしすぎているのではと思いました。やはり原点に戻り、面白さ、興奮できるワクワク要素などを入れることにより、素晴らしい作品ができるのではないでしょうか。そう思った時、今作は果たしてその成果を出せているのか疑問です。

 悪い作品とは思いませんが、ほとんど記憶に残らないシーンばかりなので、語り継がれることはないでしょう。ただただ、100年目に作ったとあるディズニー作品、という冠だけを背負うと思われ、不甲斐ないなと思えてしまいますね。。次回作に期待。
 それにしても、マグニフィコ王の吹き替えは福山雅治がしているのですが、「実に素晴らしい」と言ったときは笑ってしまいました。
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