てっぺい

ウィッシュのてっぺいのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
4.0
【アッセンブル映画】
同時上映のディズニーキャラアッセンブル作品にテンションMAX。ディズニーオマージュ、テーマ、音楽、キャラクター、映像美と、本編にも映画の魅力がアッセンブル。100年の集大成にふさわしい秀作。

◆トリビア
〇アーシャは、ヒンズー語で「希望」をあらわす言葉。(https://www.tiktok.com/@tanoshiizatugaku/video/7287933209948572936)
○スターは、ミッキーマウスから着想を得たキャラクター。ミッキーを創作したウォルトに敬意を表し、スターの顔型はミッキーと同じハートマークになっている。(https://www.disney.co.jp/movie/wish/news/20231207_01)
〇森のシーンの背景に『ポカホンタス』に登場する“柳の木のおばあさん(Grandmother Willow)が隠れているのが、監督が最も発見が困難だと思う隠しキャラ。(https://www.tvgroove.com/?p=126993)
〇アーシャの7人の友だちは、ディズニー初のアニメ映画『白雪姫』の「7人のこびと」がモデル。(https://cinema.ne.jp/article/detail/52270)
○本作内には、過去のディズニー映画に関するイースターエッグが100以上存在する。(https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1415578/amp)
○本作のメインカラーであるパープルは、北アフリカの文化で希望を意味する色。(https://front-row.jp/_ct/17671921)
○ アーシャとマグニフィコ王がデュエットする「At All Cost(輝く願い)」が製作陣が最も議論を重ねて生まれたシーン。願いがいかに重要かがセリフでは伝わらず、曲にする事にたどり着いたという。またこのシーンで2人は願いが大切だという点で一致するが、それを叶える方法が全く違い、物語が進んでいく重要なシーンにもなったと語る。(https://front-row.jp/_ct/17671921)
〇アーシャを演じた生田絵梨花は「強さと同時に伸びやかさ、開放感をどう声に乗せるかということを意識して、トレーニングを重ねました」と語る。譜面に忠実に歌うより、自分がどう感じて、音の中でどう語るかを大事にするべきだと思い、あえて譜面を見ずに耳だけで音を取る練習もしたという。(https://maidonanews.jp/article/15081811)
○福山雅治は「ものすごく大変でした。お芝居も音楽もやってますが、それが一緒になったミュージカルという表現がまた別物なんだなと感じました。大河ドラマ以来に声も枯れました(笑)」と振り返る。(https://www.disney.co.jp/movie/wish/news/20231130_01)
〇「誰もがスター!」のシーンには、過去のディズ二ーアニメで主要キャストを演じた豪華俳優陣などが声優として出演。上戸彩、尾上松也、菅野美穂、小泉孝太郎、鈴木福、中川翔子、平野綾、松たか子、ゆめっち、吉川愛など。(https://eiga.com/news/20231215/10/)
○ クリス監督は、100周年記念作のテーマを“願い”に決めた訳を、これまでのキャラクターの多くが星に願いを込めている共通点があるからだと明かした。(https://www.disney.co.jp/movie/wish/news/20231206_03)
〇クリス監督は、過去作との繋がりについて聞かれ、思いついてもメインストーリーから逸れるオマージュは省いたとした上で、「この映画はすべてのディズニーファンに向けたラブレターのような作品にもしたかった。だから、ディズニーが残してきたレガシーへの讃歌にもしたつもり」と語る。(https://www.tvgroove.com/?p=126993)
○背景には「ピノキオ」や「白雪姫」のような水彩画のタッチを使用しオマージュしつつ、現代の3D技術を取り入れた。観客が絵本の中に足を踏み入れるような感覚を目指したという。(https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1415578/amp)
○音楽を担当するジュリア・マイケルズはディズニーアニメ映画史上最年少での抜擢。グラミー賞主要2部門にノミネートされ、ジャスティン・ビーバー、エド・シーランらへの楽曲提供を行うソング・ライター兼アーティストである。(https://www.disney.co.jp/movie/wish/news/20231206_03)
〇ポスターには、アリエルやスカーなど、ディズニーの隠れキャラが描かれている。(https://www.tiktok.com/@parks_ttt/video/7300528302110838023?lang=ja-JP)
○スペシャルサイトでは、ARで動く夜空にアーシャやバレンティノの他、アナやエルサやオラフが登場。夜空に自分の願いを込めた星を残すことができる。(https://wishingstar.disney.co.jp)
○東京、大阪、札幌、名古屋、福岡にディズニー・シアターが期間限定で登場。スクリーン内では、“願い星”スターが舞い降りたかのような装飾が施されるほか、限定ステッカーがプレゼントされる。(https://www.disney.co.jp/movie/wish/news/20231206_01)

◆概要
ウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年記念作品。
【脚本】
ジェニファー・リー
【監督】
「アナと雪の女王」シリーズ クリス・バック
ファウン・ビーラスンソーン(「アナと雪の女王」や「ズートピア」などでストーリーアーティストを担当)
【声の出演】
(字幕版)
「ウエスト・サイド・ストーリー」アリアナ・デボーズ
「ワンダーウーマン」シリーズ クリス・パイン
「タイタニック」ヴィクター・ガーバー
「アメリカン・アニマルズ」エヴァン・ピーターズ
(吹替版)
生田絵梨花、福山雅治、山寺宏一、檀れい、鹿賀丈史、大平あひる、落合福嗣、蒼井翔太、岡本信彦、青野紗穂、竹達彩奈、宮里駿
【公開】2023年12月15日
【上映時間】95分

◆ストーリー
どんな願いもかなうと言われているロサス王国。魔法を操り国を治めるマグニフィコ王は、国民から慕われているが、お城で働く17歳のアーシャは、ある秘密を知ってしまう。それは、人々の願いがかなうかどうかを王が決めていること、王は国のためになる願いだけをかなえており、国民が王を信じてささげた願いのほとんどはかなえられることがないということだった。王国の秘密を知ってしまったアーシャは、王を信じて託した人々の願いを救いたいと、夜空の星に祈る。すると、空から魔法の力をもった願い星のスターが舞い降りてくる。スターの魔法によって話すことができるようになった子ヤギのバレンティノやスターとともに、アーシャはみんなの願いのために奮闘する。


◆以下ネタバレ


◆オマージュ
冒頭、同時上映の「ワンス・アポン・ア・スタジオ」からテンションMAX。額縁からミッキーにピノキオ、往年のキャラ達が続々と登場する中、アナ雪のハンスは一瞬笑、ナマケモノのフラッシュとドナルドの夢の掛け合いからのベイマックスとのコント笑。全員アッセンブルの記念撮影にほとばしる画力。余韻冷めやらぬ中、「白雪姫」のように絵本が開いて始まる本編にワクワク。7人の小人のオマージュだというアーシャの7人の友人はなるほどラストで“おこりんぼう”(Grumpy)とガーボが呼ばれていた。マグニフィコが鏡に1番のハンサムを聞くシーンもあれば、ラストも絵本で閉じる。100以上あるという過去作へのオマージュは、とりわけ白雪姫に関するものが多かったようにも思えたが、いくらでも見つけられるディズニーフリークがいるとすればとても羨ましい笑。

◆スター
ミッキーの輪郭をオマージュしたというスターのハートマークの顔。か細く少しだけ出るその声が何ともいじらしいし、子供のように奔放でかつ意外と表情豊か。女王に初めて会った時、毛糸で作ったティアラをかぶっていたスターには萌え死にしかけた笑。スターというキャラの発案が本作の1番の成功だったかもしれない。願いを次々と叶えていくスター、それはウィッシュという本作のテーマの本筋そのものだし、その存在感はもはやアーシャを食う勢い。エンドのディズニークレジットをオマージュしたシーンでも大活躍。ミッキーの形の花火はむしろ我々の願いを叶えてくれた描写に思えた笑。

◆メッセージ
「誰もがスター!」で歌われたように、一人一人が輝くスター。王に託した願いはほぼ叶う事はなく、人々の心は虚無化、自らの願いを取り戻し、己の力で、一人一人のスター達が真に願う時、それが大きなエネルギーと化していく。自らを誇り、自ら願い、その願いに邁進していく事の大切さを訴えるメッセージは、シンプルだからこそ伝わってくる。願いを叶えてくれたスターに対して感謝のすべを尋ねるサビーノ爺に、願い続ける事よとアーシャが語りかけるシーンが印象的だった。エンドロールで星座のように輝くディズニーキャラクター達も、まさにそれぞれが輝くスター。ディズニー100年の作品に共通する“願うこと”をテーマとした本作で、自分のためではなく唯一人々の願いが叶うことを願ったアーシャ。木に衣装を着せてしまうほどまだ新米さんながら笑、スターから魔法の杖を託された彼女こそディズニー16人目のプリンセスにふさわしい。

◆関連作品
○「アナと雪の女王」('13)
本作の監督と脚本がいずれも監督としてクレジット。言わずと知れたヒット作。ディズニープラスでスピンオフ作品も含めて配信中。
○「白雪姫」('37)
世界初のカラー長編アニメ映画。絵本から始まる冒頭や、7人の小人などへのオマージュが本作にも見られる。ディズニープラス配信中。

◆評価(2023年12月15日時点)
Filmarks:★×4.0
Yahoo!検索:★×3.3
映画.com:★×4.0

引用元
https://eiga.com/movie/97886/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ウィッシュ_(映画)
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