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ウィッシュのumisodachiのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.7


100周年を迎えるディズニーの新作長編アニメーション映画。

どんな夢も叶えてくれるロサス王国には世界中から人が集まってくる。王は偉大な魔法使い(イケメン)で、年に1度選ばれた国民の願いを叶えてあげていた。王に憧れるアーシャは王の助手となるために面接を受けるが、そこで王国の真実を知ってしまい……。

夢にまつわる王道の物語で、ミュージカルナンバーも耳なじみが良くてとっつきやすい。映像もキレイなのだが……なんとも盛り上がらない作品だった。たぶんこれ、起承転結じゃなくて起承承結って感じだからじゃないのかなあ。序盤で王国の真実が明かされてしまい、その後は同じ調子で最後まで突っ走るので単調に見えてしまう。その割にキャラクターが多いのでフォーカスしづらくて(『ミラベルと魔法だれけの家』のように丁寧にキャラクターの個性を説明してくれるわけでもないし)、ボーっと眺めている間にボーっと終わってしまったという印象だった。

なので、こうしたら良かったんじゃない?というストーリーを考えてみた↓(余計なお世話って言わないで)

マグニフィコ王の闇と王国の真実に気付いたアーシャの父親は、マグニフィコ王によって消される(いきなり不穏)。←この時点では誰に消されたかは明かされない。

しかし実は、生前に自分の危機に気づいていたアーシャの父は、今後のアーシャの身を案じて星に願ったことでスターを召喚していた。そして、「アーシャの傍にいて彼女を守ってくれ」とスターに頼んだ。さらにアーシャには、スターは相棒だけれど、誰かにその存在を知られてしまったら消えちゃうので誰にも秘密にするようにと言い聞かせ、帰らぬ人に。

アーシャは、スターやスターによって喋るようになった動物たちと楽しく暮らしながらすくすくと大きくなり、やがて城で働くことに。18歳になるときに成人の儀式を迎えるのを心待ちにしていて、王の助手になることを夢見ていた。

しかし、儀式を終えた同じ年の友人たちの変化を見ているうちに、アーシャは徐々に不安を覚えるようになっていく。王の助手になることに対して、スターが応援していない様子なのも気がかりだ。そして面接の日を迎え、アーシャは真実を知り王に追われる立場となる。(父親の死の真相もここで発覚)

山に逃げたアーシャは、スターに託された父の想いを知る(アーシャが気づいたら渡しておいてとスターに預けられていた手紙があったとか、そういう感じで)。夜空に向かって王国を救う決意をするアーシャ(テーマソング熱唱)。

アーシャはスターや動物たちと共に城に戻り、仲間たちを説得し目を覚まさせるが、アーシャが逃げる際にスターの存在に気付いた王は既に暴走を始めていた。禁じられた魔法を使い民の夢を破壊していく王を目撃した王妃は恐怖に駆られ、アーシャたちの仲間となる。アーシャたちは人々の夢を解放しようと試みるが……。

これならば、王の秘密が明かされるのをある程度後半に持ってくることと、スターというナイスキャラを序盤から登場させることを両立できる。しかも、アーシャが成長する際に動物たちとわちゃわちゃする「ディズニーっぽい」シーンも入れ込み可能。
アーシャの父親の死もストーリーに生かすことができるしね!どうでしょ?




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