アイビーアイ

ウィッシュのアイビーアイのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
2.5
100周年のレガシーに甘え切った凡作でした。そして悪役を単なる悪のまま描き切り、あまつさえ罰してしまった時点で凡作以下に成り下がります。

かなり肯定的な姿勢で観たのですが、ダメなところを挙げたらキリがありません。生田絵梨花は上手だし良い声ですが上品で綺麗過ぎてキャラクターの表情に対してヤンチャさが足りないとか、7人の小人モドキは7人居る意味も無けりゃ揃いも揃って見た目がモブだとか、ヤギは話せるようになる前から主人公は普通に話しかけてるから人語を操れるようになる前後で関係性に変化が無いしむしろ会話が減ってるとか、手書きとCGの中間を目指してるっぽいビジュアルは意欲的だけどスパイダーバースやタートルズには遠く及ばずミラベルの方が美麗なCGになっちゃってるとか、もう本当に盛り沢山です。
過去作へのオマージュが散りばめられていて、それに感激している観客もいましたが、同じことを同時上映の短編でもっとストレートにやっちゃってるじゃないですか。

そんな今作で綺羅星の如く輝くのがマグニフィコ王でした。アーシャも動きが可愛くて観ていて楽しいですが彼の存在感には敵わない。彼のミュージカルパートは吹替だとほぼほぼ福山雅治の新曲ですが、福山雅治の新曲が劇場の音響で聴けるのも良いものです。それだけに碌な掘り下げも無く小悪党として処理されるのが残念でなりません。100周年ヴィランなんだし願いの力でパワーアップフォームくらいあってもよかったのに。

残念ながら各所で聞こえてくる微妙な評価も納得の一作です。私は紅白歌合戦での福山雅治 a.k.a.マグニフィコ王を楽しみに待つことにします。
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