Misaki

ウィッシュのMisakiのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

大大大好きなArianaDeBoseがヒロインで、めっちゃくちゃ期待&楽しみにしてたのだけど、
なんかびっくりするくらい脚本にピンと来なかった。テーマとか以前に、ストーリーテリングの技術的に。

「100周年記念作品!!」って自信満々に銘打つクオリティではなくない??

・音楽&歌唱は最高。さすがのディズニークオリティ。

作曲がディズニー作品初参戦(たぶん)のJulia WilliamsとBenjamin Riceコンビだったから、どんな曲のカラーかが予想できないところからだったけど、
とってもよかった!!
レディガガとかジャスティンビーバーとか、洋楽ポップスシーンで活躍してた人たちだから、ポップだろうなーとは思ってたけど、
かなりいい意味で洋楽ポップすぎず、でも旧来のディズニー的な楽しいカラーもあり、バランスが素晴らしかった👏👏👏👏

どの曲もかなりリズムに特徴があり、楽器の種類も多く、音楽としてとても楽しい。
リズムが主役と言ってもいいくらいのノリ。
クラシカルなアラン・メンケン系よりは、
最近のリンマニュエルミランダ系に近い。
曲の印象はモアナが一番近いかな。
(This Wish はHow Far I‘ll Goを、
This is the thanks I getはYou're
Welcomeをめちゃ思い出した)

ArianaDeBodeの歌唱は言うまでもなく素晴らしくて最高だった
クリス・パインもかなり最高。(Into The Woodsの王子と知って納得🤣)

エンドロールのオーケストラアレンジで、「あ〜そういえばこのタイプの定番アレンジなかったな!」ってなった。メンケンを感じる。これも好きよ。


・ストーリーはほんとに、今まであんなに上手だったストーリーテリングがなんでこんなスカスカになったのか謎だった。

登場人物の性格や信念の描写、心情の変化の描写が全て雑で、
全ての展開が唐突に感じてしまった。
ディズニーでこんなの初めてレベル。

最初、なんでこんなに置いてけぼり感が強いんだろって思ったけど、たぶん掘り下げがとにかくないから。
みんなの性格、譲れない信念、その理由となる過去の経験、みたいなのが全然描写されないから、
「あ、そこでそう思うんだ」ってのが全部唐突に感じた。

今までの主人公は、「好奇心旺盛」とか「臆病」とか、明確なモチベや特性が最初に描かれてて、
そこに自分を重ねたり、感情移入したあとで、
何か事件があって、「それは主人公ならこう思うよね」ってのに説得力があったし、
こっちものめり込めたけど、
それがとにかくなかった、、、

設定の発表と事件が同時に起こり続ける、感情移入できない謎の完成度だった、、、

(そもそも、アーシャの性格を「あなたは優しすぎるのがウィークポイント」って言葉で表現するのも、ディズニーどうした?ってかんじ。
今までちゃんと、言葉じゃなくて絵や描写で表現してたじゃん。
「利他」「おじいちゃん想い」ってのが彼女の特性なんだと思うけど、
象徴的なエピソードとか、おじいちゃんと仲良くしてきた描写とかがないから、「なんかよく分かんないけどそういう設定なんだな」くらいの理解しかできず。
最後までずっと「あ、そうなんだ、そこで怒るんだ」とか、画面の外から見てる感。)

あと、過去作オマージュに固執しすぎたのか、
話の展開に不必要な人やシーンが多くて、あんまり洗練されてなかった。

(友人7人もいるせいで、なんでみんながアーシャに協力しようと思ったのかとかもなんかノリだし。
謀反者になったアーシャに協力するとかアツい展開のはずなのに、「なんか主人公の言うことだしとりあえず信じるっしょ!」的な軽い感じだった笑

中盤の裏切りもびっくりするほど「はあ」ってかんじだったし。0.5秒でもいいからもっと彼の表情アップにするとかで伏線的なの引けたし、ハラハラさせたりもできたのでは。

友人はダリアと裏切り者だけでよかったのでは。
ダリアとの親友エピソードも欲しかった。
ていうかみんなそもそも何者なん?みんな城で働いてるん?仕事仲間?
それとも幼なじみ?なんなん?
なにもわからなさすぎ。

ヴァレンティノかわいいけど、話の進行上全然要らなかった。
「喋れる動物の相棒」である必要あった?例えばオラフは終盤で大事な言葉をアナに与えるから、喋れる必要あったけど、別にヴァレンティノ話せなくても&いなくても困らなかったくない?
マスコット枠はスターがいたし。

同様に、「誰もがスター!」のシーンも丸々いらなくない?
ただ「ディズニーっぽいミュージカルシーン」&「星というキーワードで良いメッセージ言いたい」というモチベで作ったんだろうなってかんじてしまった。
曲や絵はシーンとして素晴らしいけど、ストーリー上では浮いてるなと思った。
先に作ったんだろうな。
その後ピンチシーンに動物が助けに来てくれるわけでもなく。ただの賑やかしとしての「喋れる動物たち」だった。喋れることが後々効いてくるならいいんだけど。

しかもダメ押しでニワトリのミュージカル?シーンあったけど、あれもまじでわけわからんかった。
笑えるシーンではあるけど、ミュージカルシーンは誰もがスターでやってるし、なんで同じようなこともっかいするん?ってなった)

とにかく登場人物が多くて、
必要な描写が足りてなかった。

プロット段階というか、骨組みの状態のまま完成にしてしまったかんじがすごい。
やりたかったことは分かるけど、絶対もっとブラッシュアップして洗練させられたよね?ってなった。

アマヤ王妃も反旗を翻すシーンへの伏線引けたよね?なんなら怪しげな動きしてミスリードするとかの演出もできたしそれできたらアツかったよね?

さいご民衆が団結して抵抗するのも、
その前に分断されてたとか、抵抗しなさそうだった人が立ち上がったとかの前振りがあればもっと感動できたのでは。

もうとにかく描写が足りない。

国王もいいキャラではあったけど、家族を失った過去があるとかでなんか中途半端だった。最初はいいやつだったの、、か、?わからない。

ディズニーでは珍しい反権力とか、やりたかったテーマ性とかは分からんくはないけど、なんでこんな語り方が全体的に雑なのか。

起きることを表面的に撫でるだけの映画だった。
なぜ、、、、

今まであんなに上手だったじゃん、、、、

アート性の高い紙芝居とか絵本を見た感覚に近い。


前半の流れは完全にウィキッド。
At all cost(輝く願い)は完全にウィキッドのWonderful。
Misaki

Misaki