さな

ウィッシュのさなのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

良すぎた、、、

予告を見た時、歌もストーリーもあんまり刺さらなくて「ディズニーの100年が詰まった集大成」と謳っているけど大丈夫かなあと思いながら見ました
上映中、良すぎて頭を抱えたくなるほど良かった
ストーリーがシンプルで分かりやすい、ちゃんと悪者がいて、主人公が友達と一緒にみんなで力合わせてやっつける、小さい子でも楽しんで見れると思う
でも所々に、今まで生きていく上で考えてきたことをさらに突き詰めたくなるような、大人も楽しめるような内容だった
でもやっぱり現実だけじゃなくて、ディズニーとして揺るぎないものは敢えて揺るがず、100年間の意志を感じた、昔も今も感じられるような作品だった

歌も、予告の時点ではあまり刺さらなかったけど、劇中で聴いたらとてもディズニーを感じて感動したボロボロに泣いた
他の曲も良くて特に無礼者たちへ、真実を掲げが良かった、、、
無礼者たちへは歌詞が良かった、、日本語だからこそ癖になる
あとなんだかライオンキングみがあるきがした
真実を掲げは謎にインド映画みを感じたなぜ❔
仲間たち(最初は賛成してなかった者も)が次々に歌って行って一致団結して行く中王妃が登場!一瞬時が止まった後、セリフなど無しに歌い始める王妃、最高すぎる〜〜!!!と頭を抱えそうになった感情がインド映画を観た時と似たものを感じた

あと普通に面白いシーンが沢山あって、中でもお気に入りがスターとバレンティーノが鶏小屋で隠れていて、「じゃあ見せるわ」ってアーシャがドアを開けた瞬間の煌びやかなにわとりたち🐔



ここからはディズニーの思想、が大好きな個人的に深く考えたものたち

最初「願いを叶えてもらうために、安全に保管するために国王に預ける。その間自分の願いを忘れる」と言う設定に疑問しかなくて、叶えてもらうかもしれないとは言え忘れちゃうのはどうなの?と思ってた
でもアーシャのおじいちゃんに「サヴァの願いは叶わない」と伝えた時の落胆よう(あのシーン、おじいちゃんの気持ちもアーシャの気持ちも痛いほど理解出来て苦しかった)、マグニフィコ王の言う叶わないと分かっている夢を持ち続けることのしんどさ、願いを国王に預けると心が軽くなったと喜ぶ国民
を見ていると、確かに願いを自由に持てることは素敵だし生きる糧にもなりうるけど、叶うとは限らないし逆にその願いが生きることを苦しめることもあると思った

マグニフィコ王は最後らへん暴走してしまっただけで、両親が盗賊?に殺されると言う辛い過去を持っているし、そこで絶望せずにみんなの願いを叶えるため、叶わない願いを持ち続けて苦しい思いをしないために1人で魔法を勉強して偉大な魔法使いになり国も築き、ちゃんと年に14個も願いを叶えてあげると言う今までで1番人間らしいヴィランな気がする
詳しい過去は語られていないけど、それくらいに留めておかないと本当に同情、同調してしまうようなキャラだった

ディズニーは「信じていれば必ず叶う」とか
現実には無い、まるで夢物語みたいな事をこの100年間ずっとずっと言い続けている
奇跡とか魔法とか、あったら素敵、ある事もある、でも絶対とは言いきれないようなものたちをディズニーは強い意志を持って言い続けている
しかもそれを沢山の人が本気で唱え、作り上げ、受け止めて信じている
そんな強い思想こそがディズニーの力だと思っている
現実(マグニフィコ王)をぶつける事によってその意思が確固たるものだと再認識させられる映画だった
私はマグニフィコ王の「叶わない願いなら忘れてしまった方がいい」と言う意見は間違ってはいないと思う
現実を生きていると、自分を、周りを守るために諦める願いだってある
それは分かっているけど、ディズニーがいつまで経っても願いは叶うと唱え続けてくれるから、魔法は無くても物語の中のように奇跡が起きて叶うことが無くても、そんな存在がいるから私たちは魔法や奇跡が無い現実でも生き続けていけるのではないだろうかと思う
これは一種の宗教みたいなものでは無いかとまで思う
ディズニーは現実を生きる上で夢を見させてくれるものであり、ずっと変わらずそこにいてくれる存在

でも物語の終わり方や、アーシャ含めた国民のセリフから感じ取った姿勢はファンタジーぽくなく、ディズニーとしては新鮮で、それでいて原点なような気がした
結局魔法やスターの力を使ってみんなの願いを叶えるのでは無く、みんな願いに向かって自分で努力する
空を飛びたいと言っていたあの子は、実際に魔法の力で空を飛ぶことは出来ないけどピーターと言う少年と一緒に空を飛ぶ装置の作り方を考える。あの子の夢はもしかするとあの子が生きているうちには叶わないかもしれない。けどあの子の願いが次へ次へと引き継がれて今があるんだなとあの子にとっては綺麗事かもしれないことを考えた、それと同時に、空を飛ぶ、遠くにいる人とまるで隣にいるみたいにお話をする、目に見えるもの耳に聴こえるものを記録してみんなに見せる、そんな願いを叶えてきた偉人のことを考えて思いを馳せた

最後のみんなで歌うシーンで「待ってるだけじゃダメなんだ、自分たちでなんとかするんだ、誰かに叶えてもらうんじゃない、自分で叶える」と歌う国民たち
願いを持つだけじゃない、持ったからには他人になんか預けず責任を持って自分から動き出すことが大事だと思った

深く考えすぎだとは思うけど、私はこの映画を観てこう感じた
ただ純粋に楽しめる映画であり、考えることも出来る映画だとも思った
全部の映画を観たとかセリフを覚えてるとか、毎日のようにディズニーパークに訪れているとか、そんな特別ディズニーオタクな訳じゃない
けど、私の人生においてディズニーと言う存在は大きいと再認識させられた映画だった
私が生きている世界は現実世界なので、ディズニーのような夢物語な頭で生きていく訳にはいかないけど、いつでも心とあたまにディズニーを宿して崇高したい


あと正直ポスターを観た時「またポリコレか〜、もちろん色んな人種のディズニーキャラクターがいて良いけど久しぶりにいかにも昔のディズニープリンセスのようなキャラデザが観たかったな」と思ってしまったのだけど、
最後のシーンで納得してしまった
アーシャは所々フェアリーゴッドマザーを感じさせるようなタイミングがあったのだけど
「マントがフェアリーゴッドマザーと同じ色だ〜」とか間接的に捉えていた
ビーターと言う空を飛ぶことに興味がある男の子が出てきた時は「ピーターパンだ!」と直接的に感じたのに(彼がピーターパン本人だと言う認識では無いです)
アーシャは「フェアリーゴッドマザー」と言う単語が出てきても、マントを着ても、魔法の杖を持っても全てアーシャ自体がフェアリーゴッドマザーと言うよりはフェアリーゴッドマザーオマージュの物を纏っている感じ
でも最後に「私もフェアリーゴッドマザーになれる?」と言った時考えさせられてしまった
もしかしてそんなつもりで言ったわけじゃ、作ったわけじゃないかもしれない
でも、こう、言葉で言い表すのは難しいけど、自分では差別していないと思っていたけどやっぱり色眼鏡で見ていたのかもしれないと考えさせられた


難しい話で終わっちゃったけど、とにかく最高でした〜!!!
気持ちを処理するのに、書くのにとても時間がかかってしまった
絶対あと何回かは観にいきたい、吹き替えで観たけど字幕でも観たい、IMAXかドルビーアトモスでも観たい
さな

さな