八咫烏

ウィッシュの八咫烏のレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
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素晴らしかった。
シンプルで魔法、ヴィラン、少女、抵抗の王道プロットに、ウィッシュというド直球なアイテムで勝負してきたのが素晴らしい。

ウィッシュというアイテムが、その願いが叶わなかったときの絶望という負の側面から人々を守るという統治の正統性のためのアイテムになったと思えば、それが人々に活力を与えるものであり、統治に反抗していく革命歌になっていく。ウィッシュの両義性を活かすプロットが白眉。
(この両義性は、平等を担保し人々に生活の安定性を与える統治と、自由を担保し人々に活力を与える統治という、東西の統治原理の違いと結びつくものであろう)

ウィッシュというアイテムには、アメリカ的で資本主義的な匂いがする(劇中では出さないが)のだが、それも含めてディズニーが背負ってきたアメリカンイデオロギー的側面を持ったディズニー100年のテーマとしてはそれ以外にはないものであろう。
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